ビジネスパーソンの教養 Vol.010:サメと落雷どっちが怖いか
海水浴シーズンが到来すると
サメのニュースも良く目にするようになります
サメが確認されて
ある地域の海水浴場が遊泳禁止になったり
どこかの国でマリンスポーツ中に
サメに襲われたなどが報道されますよね
今年6月に
プロサーファーのタマヨ・ペリーが
サーフィン中、サメに襲われ亡くなりました
パイレーツ・オフ・カリビアンにも
出演したことがある世界的にも有名なサーファーです
2023年に全世界でサメが人を襲った件数は
どのいくらだと思いますか?
69件です
そのうち死亡に繋がった件数は
10件です
両方とも
アメリカとオーストラリアに集中しています
実は私もサーフィンが趣味で
週1回サーフィンを楽しんでいます
しかも1年中です
桜が咲いた季節も山が紅葉に染まった季節も
ビーチが雪で埋め尽くされた日も
サーフィンしていますが
1年を通してたくさんの人が海に入っています
つまり世界中の海で一年を通して
数えきれない人たちが
数えきれない回数、海に入っていて
その結果、サメに襲われた回数が69回で
死に至った件数が、10件です
サメに襲われる確率は
落雷に合う確率より低いと言われています
なぜ、私たちは落雷より
サメを恐れるのでしょうか
その答えは
利用可能性ヒューリスティックスです
意思決定をする時に
強烈なインパクトを受けて記憶に残っているものは
それが起こる確率を過大評価してしまうことです
映画のJAWSをはじめサメを題材にした
パニック映画や人が襲われたニュースが
利用可能性ヒューリスティックスとして働き
その確率を過大評価させてしまうのです
O-157や鳥インフルエンザ、狂牛病
コロナウイルスなどのニュースが
報じられると過剰に反応してしまうもの
その一例と言えます
ただし、これが悪いことではなくて
時と場合によっては
このような過剰反応が
判断を鈍らせてしまうということです
私たちが思っている以上に
人という生き物は不合理で
反射的に何かを判断した時は
ヒューリスティックスが働いている可能性が
高いので、一度冷静に再考してみましょう