ビジネスパーソンの教養 Vol.007:ナイスアイデアが歴史に埋もれた訳

本を大量生産できるようになった活版印刷
1450年代、グーテンベルクによって
ヨーロッパで発明されました

ちなみに
一番初めに印刷されたのは「聖書」です


実はその400年前
中国では既に活版印刷が行われていました

しかし
活版印刷の発明と言えば
グーテンベルクということになっています


なぜ、中国の活版印刷は
歴史の舞台から影を潜めたのでしょうか


中国は仏教の経典のたくさんあるし
孔子や老子や孫氏など諸子百家の
書物もたくさんあって
印刷の需要は高いように感じます


ちなみに活版印刷とは
印刷する文字を組み替えて文章をつくり
インクを付けて紙に押し付ける方法です


そして中国でで活版印刷が
不動の地位を築けなかった原因は漢字の多さです


現在、辞典に掲載されている漢字は
5万文字前後

常用漢字でも5000~7000文字
と言われています


これらの文字を全て用意することは、とても大変です
ひとつの文章に同じ漢字が1回もでないとは限りません
さらに文字を探して文章を作ることも大変です


一方、
ヨーロッパの言語は26文字程度の
組合せで単語と文章が作られます
英語をイメージすると分かりやすいですよね


さらには
縦書き言語か、横書き言語かも重要です

日本語もそうですが
縦書きする言語の媒体は巻物が主流です

先日も空海の自書を資料館で見ましたが
途方もなく長い巻物でした


一方
英語などは横に文章を書いていくので
途中で折り返して改行しなければ
永遠に横長の文章になってしまいます


この特性が
ページという概念を生み
ページを重ねることで
冊子という概念を生みました


これはアジアとヨーロッパ
どちらが優れているかと言う話ではありません

いかに素晴らしいアイデアでも
文化や時代と歯車が
噛み合わなければ花開くことはありません


ヨーロッパの活版印刷は
時代の流れとも噛み合っていました

ラテン語で書かれた聖書は
一般人には読めません

そして印刷技術がない時代は
その数もすくないため
聖書は教会の独占状態にありました


一般の人たちは聖書を読むことができないので
教会が権力や金のために解釈を曲げても気づきません

そんな頃にマルティン・ルターが
聖書をドイツ語に翻訳し出版しました


これで一般の人々にも理解できるようになり
教会の不正や腐敗が明るみに出て
宗教改革へと繋がっていきます


文化や世相など
時代の流れを見方につけなければ
素晴らしいアイデアも埋もれてしまう
というお話でした

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