ビジネスパーソンの教養 Vol.005:オンブバッタは、なぜおんぶするのか

『苦手なものは未知の学びの宝庫』


多様性がさけばれる昨今ですが
今回はこの世で最も多様な世界を覗きましょう

それは昆虫の世界です
現在知られている細菌、植物、動物など

全生物の半分以上は、昆虫です

ある熱帯地域では

アリだけを集めた重さが
哺乳類、両生類、爬虫類の

全生物を集めた重さよりも

はるかに多いことが分かっています

ある意味、昆虫が支配している世界

とも言えますが

そうなった最大の理由が多様性です

地球上で最初に空を飛んだのも昆虫です

プテラノドンのような翼竜よりも

ずっと前から空を飛んでいました。

空を飛べるようになったことで

行動範囲が歩いて行ける距離から

大きく広がり、遺伝子の遠い異性と

カップルになれるようになりました

また、平面の移動距離だけでなく

木の上にもいけます

上下左右に移動範囲が広がり

捕食できる確率もあがりました

そして植物の進化も相まって

爆発的な多様性を見せていきます

蝶のように幼虫と成虫で姿を変える変態

葉っぱや枝に姿を似せる擬態

他の昆虫の体内に卵を産む寄生

これだけでもこと細かくみると

さまざま事例があります

体内に寄生してゾンビのように操る昆虫もいれば

猛毒を持つ昆虫やカチカチに硬い昆虫に

擬態して虎の威を借る昆虫もいます

100℃の猛毒を噴射する昆虫

時速230㎞で獲物を挟む昆虫

完全に依存し合っている昆虫

ファーブル昆虫記でお馴染みの

ファーブルはミンミンなく蝉の近くで

大砲を鳴らす実験をしましたが

蝉は全く驚かなかった記録があります

蝉はお腹の辺りに耳のようなものがありますが

大砲の音が聞こえなかったのではなく

不要な音は感知しない

つまり聞こえない音域だった訳です

例を挙げるとキリがありませんが

最後にひとつ、恋愛事情をお届けします

昆虫の世界でも

蛍のふりをして光り、近づいてきた雄を

捕食する結婚詐欺がいたり

雌に結婚を申し込むときに

綺麗に糸でラッピングして

プレゼントを渡す昆虫もいます

中にはラッピングで誤魔化し

空っぽのプレゼントを贈るものまで現れます

そして嫉妬深いタイプもいます

その代表はオンブバッタです

自分の奥さんを取られないように

ずっと背中に乗っかって見張っています

本の一例だけを紹介しましたが

4億年もの間、地球で生き長らえている昆虫の

生存戦略を見てみると

その手があったか!や

その発想おみごと!の連発です

他の分野の知見を応用することで

ビジネスも芸術も音楽も発展してきました

虫が苦手な方は多いと思いますが

嫌いなジャンルこそ自分にとって

未知で有用な学びが眠っているかもしれません


たまには
苦手ジャンルも覗いてみましょう

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