ビジネスパーソンの教養 Vol.002:誤解は式で表せる
東京大学先端科学技術研究センターの
西成活裕教授は誤解が生まれる仕組み
を科学的にモデル化しています
このモデルに当てはめて
今後のコミュニケーションの
参考にしてみましょうに
モデルは
「話し手の真意」
「話し手の言葉」
「聞き手の解釈」を定式化したもので
その組合せは以下の5パターンです
①話し手の真意=話し手の言葉=聞き手の解釈=話し手の真意
②話し手の真意=話し手の言葉≠聞き手の解釈≠話し手の真意
③話し手の真意≠話し手の言葉=聞き手の解釈≠話し手の真意
④話し手の真意≠話し手の言葉≠聞き手の解釈=話し手の真意
⑤話し手の真意≠話し手の言葉≠聞き手の解釈≠話し手の真意
ひとつずつ見ていきましょう
①話し手の真意=話し手の言葉=聞き手の解釈=話し手の真意
話し手が真意を素直に言葉にして
聞き手も素直に解釈し
2人の意志疎通が完璧な状態です
②話し手の真意=話し手の言葉≠聞き手の解釈≠話し手の真意
話し手が真意を素直に言葉にしているのに
聞き手が疑ったり、信じていない場合です
その結果、話し手の真意が伝わっていません
つまり話し手は誤解されている状態です
③話し手の真意≠話し手の言葉=聞き手の解釈≠話し手の真意
話し手が真意を偽って話している状態です
話し手の嘘や心にもないことを
聞き手が真に受けている状態です
わかりやすく言えば騙された状態です
④話し手の真意 ≠ 話し手の言葉 ≠ 聞き手の解釈 = 話し手の真意
話し手が真意を偽り
聞き手は真に受けず
相手の真意を見破った状態です
⑤話し手の真意 ≠ 話し手の言葉 ≠ 聞き手の解釈 ≠ 話し手の真意
話し手の考えと言葉が違う上に
聞き手の解釈も違うし、
話し手の真意を掴めている訳でもありません
つまり酔っ払いの会話です
私たちは①のコミュニケーションを
前提に人と接しますが
誤解が生まれる時は
相手に真意が伝わっていない
あるいは
相手の真意をつかめない
ということです
上に挙げた定式から
誤解の原因を考察すれば
まず第一に
伝え方や語彙力
そして理解力の問題が考えられます
しかしそれ以上に大切なことは
関係性です
先入観をもって相手と接したり
利害関係が解釈を歪めたり
気を使い過ぎて遠回しな言い方をしたり
このような人間関係の中の心の
フィルターが言葉や解釈に影響を及ぼします
誤解されていると感じた時は
定式のどのパターンなのか
その原因は何なのかを
考える参考にしてみてください